新・快眠生活zzz

自称『日本一文章を書くのが好きなふとん屋』が徒然なるままに書きます。お店や取扱い商品のPRは基本的に一切なしです。

自称『日本一文章を書くのが好きなふとん屋』への道 パート3

典型的なダメ社員だった私

しばらく思いつくまま自己紹介を書いています。『お前の自己紹介なんかに興味はない。』と言われそうですが(苦笑)もし多少なりともご興味がおありでしたらお付き合いくださいませ♪  

 

今回もサラリーマン時代の話です。

 

私が就職したのは神奈川県の小田原市にある『カネボウ化粧品研究所』です。そこで私は11年間『メイクアップ化粧品』の開発に携わりました。具体的には『水』と『油』と『粉』を混ぜて使い心地や発色の良い『口紅』や『マスカラ』の中身を開発する仕事です。自分の試作品の出来栄えを評価するために、自分で塗るというマニアックな作業もしました。

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入社したばかりの私は仕事もろくに出来ないくせに、プライドばかり高くて自信過剰で生意気という、世間知らずの若造にありがちな典型的なダメ社員でした。当然のごとく入社後間もなく先輩方から目をつけられるハメとなりました。

 

そんな私に対して、直属の上司であったSさんは基本的には優しく接してくれましたが、先ほど述べたようなダメ社員でしたから、厳しいこともたくさん言われ、時には私のプライドをずたずたにするほどの説教をくらったこともあります。

 

Sさんは職人気質の気難しい人でしたが、化粧品開発の神様ともいうべき恐ろしく仕事の出来る人でした。Sさんの仕事に対する哲学は独特で

・プロなんだから結果が全て

・でも仕事人間になるな

・残業するのは能力のない人間がすること

・時間外に仕事をするくらいなら自分の趣味に時間を使え

・上司には一切おべんちゃらを言わず思ったままのことを言う

・それを周囲に完全に認めさせてマイペースを貫く

といった風で、研究職という特殊性の高い仕事ならではのスタンスでした。毒にも薬にもなるタイプの人で、まさにプロフェッショナルでした。

 

私を変えたSさんの一言

 

Sさんからは仕事のこと、生き方のこと、いろいろな事を教えてもらいました。中にはその時には本当の意味が理解できなかったけど、最近になって『なるほど。あの時のSさんの言葉はそういう意味だったんだ。』と・・・ようやく気付いたような事もあります。

 

Sさんの教えの中で私に最も影響を与えたのが、

『何をやっても60点の平均的な人間になるな。』というもの。

『他のことは30点、40点でもいいから、何か一つ100点満点の人に認められる特技を持て。』

『とにかく何でも良いからナンバーワンになれ。』

『それを周囲に認めさせろ。そうすると自ずと仕事が出来るようになる。』というのです。

 

さて『ナンバーワン』と言われても、口紅を作ろうが、アイシャドウを作ろうが、あるいは化粧品原料や特許の知識に関しても、おいそれと先輩方に勝てるはずはありません。そこで私が目を付けたのが、ウソみたいでバカみたいな話ですが『飲み会の幹事』でした。

 

もう一度繰り返します。

私がナンバーワンを目指したのは『飲み会の幹事』です。

 

私が所属していた職場は、アットホームな雰囲気で、何か事あるごとに飲み会の行われる、飲み会を重視する職場でした。そういった職場ならではの話ではありますが、ある飲み会の幹事が当たった時に、

・気の利いたお店を選ぶ

・メニューにこだわる

・先輩方のお酒の好みをインプットしておいて、タイミングよく先回りしてオーダーする

・余興で面白いゲームを企画する

といった部分を、徹底的に“超”全力投入でやってみたんです。

 

そうしたところ、面白いことに一晩にして私に対する先輩方の評価がまるっきり変わったんです。

それまでは

『仕事も出来ないくせに生意気なやつ』

だったのが

『生意気だけど気の利く、なかなか見どころのあるやつ』

という風に。

 

それからというもの『飲み会の幹事やイベント事を企画するのなら藤本(私の旧姓)に任せとけば間違いない』という評価をもらうようになりました。そしてさらには自分で勝手に幹事に立候補して、飲み会を企画して、周りを巻き込むという事をどんどんとやるようになりました。

 

面白いもので『飲み会の幹事』で認められてからというもの、本業の方も随分と仕事がしやすくなり、また少しずつですが仕事ぶりが認められるようになってゆきました。

 

自分の土俵を築くことの重要性

 

この辺りのモノの見方、考え方、すなわち

 

自分の個性や周囲の状況をよく理解した上で

自分の土俵をどこに作るか

どこに自分の存在意義を見出すか

 

という部分は、Sさんのアドバイスをもとに、飲み会の幹事でナンバーワンを目指すという、バカっぽいチャレンジから学ばせてもらったことです。

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 暗くて映りが悪いですが、職場の私の送別会の時の写真です。とても懐かしいですね。

 

続く